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自動車趣味の終焉 [時事放談]

いよいよ3代目プリウスが発売されました。
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発表では8万台の受注とか景気のいいことをいってます。受注というのが、契約書に判子を押した状態なら別ですが、この不景気に実際に販売されるかどうかは微妙です。この8万台の追跡調査なんてのは発表されないでしょうから、どうでもいいことですが。
そうはいっても、これで日本の自動車趣味も終わったな、というのが私の感想です。(カッコよく言えば、新たなフェーズに入ったというべきかも知れません。)

思えば、90年代にミニバンブームがあり、そこで世のお父さんお母さんはこぞってミニバンに乗り換えました。そしてそれが現在まで続いているわけです。当然、物心ついた時からミニバンに乗っていた子供にとって、「自家用車=ミニバン≒バス」という認識が生まれます。となると、クルマとは乗せてもらって安楽に移動するための手段、運転とは苦役であって自分から進んでするものではない、ということなります。この子供が成長し大人になった時、「クルマ離れ」を起こしても不思議はありません。
いわば、メーカーが売れるからといって一所懸命がんばった結果が今の販売台数低減に結びついているように思います。

で、トドメのハイブリッドブームです。インサイトやプリウスに代表される「燃費型ハイブリッド」、その目的であり存在理由は「低燃費」です。低燃費にするには、他の交通を無視するなら、なるべくゆっくり加速し、回生が行なわれないようなディスクブレーキ主体の減速はご法度、の徹底です。そして低燃費タイヤではグリップ限界の低いコーナーリングしかできない。つまり、従来の「走る」「曲がる」「止まる」のクルマの基本であり楽しみを否定するところから、ハイブリッドは始まるわけです。

これでは、良いエンジンも良いブレーキも良いサスペンションも必要ありません。必要最低限の軽量シャシー、レスポンスやパワーなんて関係なしの低燃費エンジン+モーター、しょぼくてフィーリング無視のディスク(ドラム?)ブレーキ+回生ブレーキ、低ころがり抵抗最優先タイヤ、これらが今後の「良い自動車」の評価基準になると、ミニバン以上に子供達に「クルマ離れ」を起こすのではないでしょうか。
またしても、メーカーはがんばって将来の芽を摘んでいるような気がしてなりません。

さいわいヨーロッパのメーカーはまだまだエンジン車を見捨ててないので、小排気量過給エンジン、ディーゼルエンジンで燃費に挑戦していますが、どっこい今度は日本市場が見捨てられそうな感じです。
海外メーカーの上海モーターショーと東京モーターショーの出展具合をみれば、今後の展開が見えてきます。巨大人口を抱える拡大傾向の市場と縮小傾向の市場、どちらに投資するかは、火を見るより明らかです。

よって結論:旧式自動車趣味のオジサンは寂しい![もうやだ~(悲しい顔)]


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